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京の花街・島原を訪ねて、新撰組御用達!“おもてなし”の館へ

「島原」と聞いて思い浮かべるのはどんな情景でしょうか?
多くの方は“妖艶で怪しげな大人の世界”を思い浮かべるのではないでしょうか?

実は…そのイメージは間違いなんです!

ということで、
今回は遊宴の街・島原の本当の姿をご紹介します*

島原は老若男女誰でも楽しめる街だった?!

西本願寺北の花屋町通を西へ進むと、島原の入り口「島原大門」が見えてきます。

“島原”と聞くと、江戸の吉原と同じような“遊郭”をイメージする方も多いと思います。

しかし実の所、島原は老若男女、家族みんなで楽しめる“遊宴”の街だったのです。

吉原は遊女を閉じ込めた街で男性が楽しむための閉鎖的な場所であるのに対し、
島原は誰でも入れて食事や娯楽を楽しめる開かれた場所でした。

(創建1640年、1767年に現在地に付替)

(創建1640年、1767年に現在地に付替)

現在も島原には市の指定文化財となっている「置屋」や「揚屋」と呼ばれる建物が残っています。

「置屋」と「揚屋」って・・・?

*「置屋」とは太夫や芸妓を抱えて芸を教える教育の場。お客さんは迎えません。

*「揚屋」とは現代でいう料亭にあたり、置屋に太夫や芸妓を派遣してもらい、遊宴をしてもらう場所。

江戸時代まで揚屋は自前の料理を出していましたが、
明治以降はお茶屋業に編入され、自前の料理は出さなくなりました。

下の写真は現在も営業している島原の置屋兼お茶屋「輪違屋」。
入口には「観覧謝絶」(=一見さんお断り)の札がついています。
当時の雰囲気をそのままに感じられるこの建物。思わず見惚れてしまいますね。

(創業1688年)

(創業1688年)

新撰組御用達!食と芸で客人をもてなす島原の揚屋『角屋』

島原には、花街開設当初から建物を維持し続け、
その揚屋建築を今に伝える唯一の遺構として『角屋』(すみや)が残されています。
角屋は現在の料亭と同じような用途で使われ、
太夫や芸舞妓を派遣してもらい、お客様に歌舞と食事を楽しんで頂くところでした。

角屋が営業していたのは昭和60年までで、
その後はお茶屋さんとしての宴会業務を終え、
『角屋もてなしの文化美術館』として現代にその揚屋建築を遺しています。

江戸時代の始めに作られた揚屋は、間口が狭く奥行きがある“うなぎの寝床”のような間取り。
一階は台所と居住スペースとして使われ、お客様をもてなすお座敷は二階に設けてありました。
そのため、“お客様を二階の座敷に揚げる”ということから「揚屋」と呼ばれるようになったと言われています。

また揚屋は「一見さんお断り」のため紹介の無い方は利用することが出来ず、
支払いもその都度の現金決済は行われない「つけ(掛売り)」のみでした。

玄関が見えるこの場所は勘定する場所ではなく、
どのお客様が何をどれくらい召し上がったかを記帳する場所だったそうです。

その他一階には数多くの江戸時代の文化財が・・・

こちらは刀を置いておくための刀箪笥。

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神棚と階段箪笥。

奥へと進むと中庭が。
お庭の存在によって建物全体に解放感が生まれています。

壁紙や照明など全てが営業当時の雰囲気を再現しています。
まるでタイムスリップしたよう。

実はこの角屋、二階に特別公開の青貝の間・扇の間があるのですが、
そちらは予約制で写真もNGだったので、今回は残念ながら紹介できません…申し訳ありません…

話によれば、二階の間は当時宴会で使われていたままの状態が保たれており、室内は真っ黒に煤けているそう。
というのも、昔は室内を明るく保つために多くの蝋燭や灯油の行灯が使われていました。
そのため、油煙で天井や襖が真っ黒に煤けてしまったのだそうです。

そして一階の奥にあるこちらのお部屋は大座敷 松の間で、角屋で最も大きなお座敷です。

江戸時代、各藩の武家屋敷の大宴会がこの角屋で行われ、もちろん新撰組も出入りしていました。

文久3年(1863年)には、この松の間で新撰組の芹沢鴨が大宴会を行い、
壬生の八木邸に帰宅後暗殺されるという事件がありました。
芹沢が最後に見た景色はこの松の間から眺めた庭園の景色だったと思うと、なんだか感慨深いですね。

今回は島原の町並みと「角屋もてなしの文化美術館」についてちょこっと紹介いたしました。
恥ずかしながら、実は私も島原を訪れる前は江戸の吉原と混同していました。。。
島原の趣ある町並みと歴史ある建物を眺めていると、
如何に人々に愛されてきた街だったかという事をひしひしと感じることが出来ます。

そして朗報です!!
ここでは外観のみ紹介した、普段一般公開されない「輪違屋」の内部が
京の夏の旅 文化財特別公開」で特別に公開されます!!
期間は7/12(土)~9/30(火)まで。
この期間中(※角屋のみ7/19(土)~9/14(日))は、
角屋も特別料金大人600円、小学生300円で拝観できます。
ぜひともこの機会に行ってみて下さい*

SPOT INFO

島原 角屋もてなしの文化美術館
HP:http://www16.ocn.ne.jp/~sumiyaho/page/art_museum.html
休館日:月曜日(祝日の場合翌日)
入場料:一般1000円 中高生800円 小学生500円
駐輪場:有