堀川通を北から南に走っていると、七条を越えたあたりで急に「京都っぽくない」蛇行する道が現れます。
それはきっとかつて堀川が流れていた旧流路です。
今は遊歩道となっているそこをしなやかに歩いていくと、やがて一枚の仁丹にたどり着きます。
「下京区木津屋橋通堀川西入ル 川端町」。
今回は、3つの点に注目しながら、この仁丹を鑑賞してみます。
青線が、「京都っぽくない」蛇行する道です。
①と書かれている場所が、仁丹の所在地です。
川端町
まず注目すべきは、町名の「川端町」の部分です。
これこそ、まさにここが川の端にあったからこそつけられた町名だと暗示しています。
今は遊歩道となったこの通りに、かつて水が流れていたことを示す証拠の一つと考えても不自然ではありません。
周囲に「八百屋町」という町名があるのですが、もしかして川で野菜を洗っていたのかな、などと考えてしまうのは妄想のしすぎでしょうか。
堀川
次に注目すべきは、「堀川西入ル」の部分です。
この仁丹がある場所は、「堀川通の西」ではなく、「堀川通の一本西の道の西」です。しかし、仁丹には単に「堀川西入ル」と書かれています。
これは、ここに書かれた「堀川」が、通りとしての「堀川通」ではなく、「堀川の旧流路」を指しているということを示唆していると考えれば辻褄があいます。
川端町と名付けられたこの場所に、かつて単に「堀川」と呼ばれていた実際の川の流れがあったのかもしれないと思うと、ワクワクしてきます。
木津屋橋通
最後に注目すべきは、「木津屋橋通」の部分です。
木津屋橋通は京都ecoトリップ京都タワー店からほど近い東洞院通から御前通まで伸びている東西の通りです。
けれど、その区間に「木津屋橋」という橋は存在していないことは、私にとって以前から小さな疑問点でした。
もしかして、この堀川の旧流路の地点にかつて橋が架けられていて、その橋の名前が「木津屋橋」だったとしたら、なんと素敵なストーリーなのでしょう。
あくまで私の想像の域を越えませんが、そうかもしれないと思うと、一層ワクワクしてきます。
こんなことを考えながらまちをうろうろすると、幸せな気持ちになれますよ😊