「龍安寺といえば?」という質問におそらくお寺をご存知の方は上の写真のように「石庭」をイメージする方がほぼ100%かと思いますが、
今回注目するのはこちら!
境内中心部に大きく広がる鏡容池(きょうようち)です!
京都三大池並びに京都三大鏡池の一つとされ実は京都では代表的な池なのです!
「鏡容池」の名前の由来は鏡のように水面がほとりに生える草花を映し出すところからだそうです!
①おしどり池
1450年に細川勝元(応仁の乱では東軍のリーダー)が龍安寺を開山する以前は貴族の徳大寺家の私有地の一部だった鏡容池。
当時は貴族たちの憩いの場だったそうです。
おしどりが多く生息していたらしく「おしどり池」とも呼ばれていました。
江戸時代中期当時のガイドブックである「都名所図会」にも取り上げられており当時の注目度を感じさせます。
現在でも池周辺は国の名勝に指定され四季折々の景色が人々を魅了します。
それなのになぜ石庭のイメージが鏡容池より強くなったのでしょうか?
こちらをご覧ください。
引用:https://www.jiji.com/jc/d4?p=bqe502-jlp01298070&d=d4_oldnews
1975年、当時の英国のエリザベス女王が日本を公式訪問され、龍安寺石庭で住職の説明を聞いていた時の様子です。
女王がこの石庭を称賛されたことと当時の「禅」ブームもあり一気に龍安寺=石庭のイメージが国内外に定着したとも言われています!
龍安寺が1994年、京都とその周辺の世界遺産の一つとして登録されたのもこのご訪問があったからかもしれませんね!
参考:http://jpsekaiisan.com/category6/entry128.html
②弁天島
このセクションでは池の中央部に浮かぶ弁天島をご紹介します。
豊臣秀吉が「この池に霊力を感じる。」と言って七福神の一柱である弁財天を祀ったのが起源とされています。
お寺の境内に鳥居があるという珍しい光景を目にすることができます。
鳥居に石を積み上げていくと弁財天が司る音楽や縁結び等に関係した願いが叶うという俗信もあるのだそう。
拝観順路上にはなく寄り道になりますがぜひお立ち寄りください!
③水分石と借景
鏡容池で特に注目してほしいポイントは「水分石」(みくまりいし)と「借景」です。
まず、水分石なんですがこちらは水深を測るメジャーの役割をしています。
貴族の私有地になる前の鏡容池は灌漑用のため池でした。
当時は石のような原始的なものを使って水を管理していたことが分かりますね!
そして特に梅雨の季節になるとこの石の上に来客が。
引用:https://www.walkerplus.com/article/15846/image59337.html
スローライフを満喫するカメさんたちに皆さんも是非和んでみては!
そしてもう一つの注目ポイントは「借景」です。
庭園のテクニックの一つでまさに読んで字のごとく元々の自然の景色も借りながら池と周辺の景色を創り出しています。
鏡容池では北側にそびえる朱山と衣笠山を借景にしています。
ご覧の通り背後の山が見えても何も違和感なくすーっと見入ってしまいますね。
敷地外の景色(現実)が見えないように作られていると言われるディズニーランドの話が有名ですが、
対照的に鏡容池は周りの山々も巻き込んでその美しい景観が生み出されているのです!
まとめ
どうしても石庭のイメージが一人歩きをしてしまっているかもしれない龍安寺。
私にも龍安寺を訪れると石庭を見終えて足早に順路を進む方もいらっしゃる印象がありました。
しかしこれから京都旅行をお考えの方にはぜひ鏡容池も含めて、龍安寺に時間をかけて拝観して頂けたらと思います!
景色、暮らす生き物、歴史、見どころの多い池です!!
SPOT INFO
MAPS:
アクセス:・京福電鉄(嵐電)龍安寺駅から徒歩8分
・市バス 立命館大学前から徒歩7分
龍安寺前すぐ
拝観日時:3月1日~11月30日 8:00a.m – 5:00p.m.
12月1日~2月末日 8:30a.m – 4:30p.m.
拝観料: 大人・高校生 500円 小・中学生 300円