花街島原の一枚の仁丹が掲げられています。今日はこの仁丹の魅力に迫ります。
特徴その1:正式な住所ではない
まず特徴的なのは、「正式な住所ではない」文言が書かれているということです。
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下京区島原西新屋敷上之町
この場所の正式な住所は「下京区西新屋敷上之町」です。「島原」というのは広く知られた地名ですが、正式な住所ではありません。それが、特例として仁丹看板に採用されていることに驚かされ、その背景をあれこれと想像させてくれます。
特徴その2:書き換えられた痕跡
次に気がつくのは「上之町」の「上」の字の違和感です。拡大してよく見てみると、どうやら「中」という字を消して、上から巧みに書き換えられているのです。
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「上」の字をよく見ると、「中」の字が白く塗られていることに気づく。
これは私の想像ですが、設置当時は「中之町」にあったのが、なんらかの理由で移設されることになったのではないかと思うのです。それが町境を跨いでしまったため達筆な地元住民が書き換えた、というストーリーだとしたら、住民の仁丹愛に感動すら覚えます。
特徴その3:手作りの地図
最後に、この仁丹が設置されている掲示板も魅力が詰まっています。仁丹の右側の部分、島原一帯の地図になっているのです。
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仁丹と手作り地図の素敵なコラボ。
お店の入れ替わりを経てだいぶ歯抜け状態になってしますが、「角屋」「輪違屋」「法華寺」などは、今でも変わらず存在し続けています。愛されていますね、仁丹。
こんなことを考えながら、まちのレイヤーを頭の中で切り替えてみると、このまちの違った表情を楽しめますね😊