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【仁丹】違和感を感じて、知的好奇心が満たされる

四条大宮から程近い場所でみつけた仁丹看板。違和感ありありです。

私が直感した3つの違和感を列挙します。

下京区壬生御所ノ内町 千本通四條上ル

「区」が違う

まず、最初に気づく違和感は「中京区」にあるのに「下京区」と書いてある、ということです。その証拠に、真下にあるライオンズクラブの住居表示版は「中京区」となっています。

実はこれ、どちらかが間違っているというわけではありません。両者ともに正解です。

ライオンズクラブの方は「中京区」が誕生したあとに設置されたもの、仁丹はそれ以前に設置されたものなのです。

通り名が後に来ている

普通だったら「千本通四条上ル」のあとに「壬生御所ノ内町」と来るはずですが、ここではその位置関係が逆転しています。

これは、いわゆる京都の中心部から離れた場所でみられる現象で、通り名が正式名称ではないことを示唆しています。

古くからの京都市街では、通り名も正式な住所になります。例えば、京都市役所の正式な住所は「京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488」です。太字で示した、通り名の部分が正式な住所に含まれるのが、京都市街地の特徴です。

一方で、かつての市街地から離れたところでは、通り名は住所に含まれず、通称(=非公式)なものとして存在します。例えば、右京区役所の住所は「京都市右京区太秦下刑部町12」です。市役所の住所に存在した通り名がありませんが、誰かが勝手に省略したわけではなく、これで正式な住所です。

つまり、今回取り上げた壬生御所ノ内町の場合、正式な住所には通り名は含まれないが、実際の存在場所を示す非公式な目印として「千本通四條上ル」の但し書きが付記されたと考えられるということです。

御所がない

最後の違和感は、「御所ノ内町」という町名に反し、どう周りを見渡してもこのエリアに「御所」がないということです。

この地名はどうやって名付けられたのか、あーでもない、こーでもないと考えてみるのも楽しいものです。明治や大正期の地図をみても、それらしき形跡はありません。どこかのお寺や神社の通称が「御所」なのでしょうか? 平安時代に、有力な貴族が住んでいたことに由来するのでしょうか?

そんなことを考えながら、まちのレイヤーを頭の中で切り替えてみると、知的好奇心を大いに刺激され、このまちの違った表情を楽しめます😊

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